大阪高等裁判所 昭和25年(う)1499号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(理由)
辯護人は原判決は證據として金世賛の檢察事務官に對する第二回供述調書、佐藤修一外二九名の各盜難被害屆書を掲げているが原審公判で證據として取調べられたのは前者については抄本後者については謄本であり且つ記録にも右抄本と謄本が編綴せられているにすぎないから原判決の證據の摘示は違法であると主張する。なるほど原判決摘示の證據の標目をみるに所論の通りであり記録編綴の證據も所論の通りである。しかしながら抄本又は謄本は原本の存在を前提とし且つ原本に代るものであるから原審でこれらの抄本又は謄本について證據調がなされ且つ被告人も辯護人も之を證據とすることに同意した本件においては訴訟關係人において適法な原本の存在を承認し且つ原本に代えて抄本又は謄本を證據として提出することに同意したこととなるのである。從つて右抄本又は謄本と同一の證據能力を具有するに至るのであるから原判決がその證據を掲ぐるに當り抄本又は謄本の字句を表示しなかつたにしてもそれによつて證據の摘示を違法視するわけにゆかない。論旨は採用できない。